RPA(Robotic Process Automation)の台頭により、

「RPAの方がコスト削減効果が高いから、もうアウトソーシングに委託する必要は無い」

「RPAはすぐ止まったりあてにならない。人の手を介したアウトソーシングの方が安心」

「アウトソーシング会社がRPAを導入するのなら、低価格化したアウトソーシングに委託する方が楽」

といった、様々な意見を聞きます。

最初に書いておきますが、どの意見もおそらくそれなりに正しいと思います。

そして、この記事に結論が書いてあるわけでは決してありませんが、RPAとアウトソーシングを比較する際の、ヒントの1つになれたら幸いです。

イージーネットは現在、給与計算アウトソーシング業務を中心に業務を行っています。

社会保険労務士事務所を併設していることもあり、人事や総務のバックオフィスの効率化のニーズに対して、

  • 給与計算
  • 勤怠管理
  • 社会保険手続
  • 年末調整

などの業務の委託を受けてきました。

弊社は多数のパート人員の人力で業務量を賄うタイプのアウトソーサーではなく、ITツールをフル活用して、最低限の人員で大量の業務を行うのが特徴です。

今回RPAという言葉が出てきた時にまず考えたのは

「RPAは近い将来アウトソーシングの脅威となる」

ということです。

これはアウトソーサーとしては当然の思考だと思います。
給与計算や勤怠管理や社会保険手続は、ルール通り行えば同じ結果が出るという点で、RPAがめざす「自動化」と相性が良いわけです。

これを、アウトソーシングせずに、RPAを導入して社内で完結したら・・・

アウトソーシング会社に委託する理由がなくなってしまいます!

その上で「ITに強い社労士」を標榜しているイージーネットですから、当然考える戦略は1つです。

企業よりも先にRPAを導入化して、アウトソーシング業務に活用して競争優位に立つ!

RPAの先駆者となるため記事を漁ったり、各社のデモを見て…思ったことは

1.RPAツールを導入したとしても、一定レベル以上の業務の自動化を現場で行うのは簡単ではない

RPAあるあるですが、デモを見て、試用版をインストールして…

Excelマクロの記録の要領で、かんたんなマウスの動きやクリック、キーボードの入力を記録して再現したりして

「なるほど、これがRPAか!」

というのは簡単です。

「デスクトップの特定の場所に置いてあるファイルをごみ箱に入れる」ことをその場で自動化して見せて、「かんたんでしょ?すごいでしょ?」と得意気になるRPAツールの代理店とも出会いました。

しかし、それだけなら以前からUWSC等様々なITツールでもできたことです。

実際には、Excelから読み取ったデータを連続して処理したり、データの値や画面遷移による様々なパターン分岐への対応ができないと、業務の自動化レベルとは言えないと感じています。

そこまで行くまでには、英語のドキュメントを読んだり、難しいスクリプトやオブジェクトの属性設定を行い…なかなか大変そうでした。
※そしてその間に試用期間が終了すること多数。

ある程度専任でRPAに携われる担当者無しでは、導入はままならない、と思いました。
これを、通常業務を行いながら導入を進めていける体力がある企業は少ないと思います。

しかし、人が足りないからアウトソース、と考える企業にとってはこれはハードルが高い状態です。その面では

「RPAを検討したいけど時間が無いから、アウトソースを選択せざるを得ない」

これが一つのあり得る現状ではないでしょうか。

2.RPAツール導入は、アウトソーシングの代替となるほど安価ではすまない

弊社でも、RPAツールの導入を目指して活動を始めたものの、実際に見積もりを取ってみると

「こんなに高額なのか…」

という印象が強く、導入への決断にはなかなか至りませんでした。

当時は(今も一部のツールでは)RPAツールといえば数百万…さらに導入費用や研修費用も別途…

「デジタルレイバーを雇うんですよ。毎月新卒1人分の金額で24時間働きますよ」
※そんなに単純作業ばかりの業務ってどんな会社ですか?

ツール費用だけでなく、導入時のシナリオ(スクリプト)作成、そして軽微なシナリオ修正を自社内でできない場合には保守費として毎月それなりの費用がかかる現状では、

数千人規模の企業や、毎日外部と数千枚の同じフォームの書類をやり取りするような、確実な業務削減の量が見込まれる会社でしかペイしないのではないか

と考えています。

つまり、RPAの方が有効な場面は「今のところ」限定的、といえます。
いわゆる成功事例に出てくるようなタイプの企業や業務です。

多くの場合は価格(ツール費+シナリオ費)の面で、見合うサイズの業務自動化は難しいのが現状といえます。

ただし、この状況は現在変わりつつあります。

まず、ツール費用の低価格化です。

1200万円だったRPAツールがこの数年で120万円になった、という事例を先日聞きましたが、低価格でも十分な自動化ができるツールが現れてきています。

そういった状況の中で、イージーネットはOCRを標準搭載しながら、低価格に導入できる「ハートコアロボ」と出会い、導入を決定しました。

現在「ハートコア ロボ」は、有力なRPAツールの選択肢の1つだとイージーネットは考えています。

詳しくはこちら

ユーザーとして使用するだけでなく、パートナーとして販売・導入サポート等も行っております。

そして、このツールの低価格化は「RPAバブル」と言えるような「高額なシナリオ制作」の現状についても、かつての「ホームページ制作」と同様に、やがて落ち着いていくものと考えています。

3.RPAとアウトソーシングの併用は可能か?

最後に、RPAとアウトソーシングの併用についてです。

イージーネットでは、委託された業務に対するRPAによる自動化を順次進めています。

それと同時に、クライアント側の弊社に委託する前段階までの各種集計業務や、弊社データを活用したデータ変換等にまでRPAの対象業務を着々と広げています。

RPAの導入に際し、RPAの構築~運用部分をアウトソーシングしてしまえば(単なる委託とも言いますが)、極端な話、自社ではRPAを購入する必要も無ければ、シナリオ作成ができるようになる必要もなくなります。

社内システムへの入力等を行う必要がある、といった理由で、処理の実行は外部委託できない、自社内で実行する必要があるといった場合でも、開発用ライセンスは持たずに、開発されたシナリオやスクリプトの実行ライセンスだけを購入することで、RPAのいいとこ取り、を考えるのも一つの選択かと思います。

重要なのは何を使うかではなく、どのような作業を省力化して(対象)、それによって何を実現したいのか(効果)、を踏まえて「RPAの導入」、「アウトソーシング」「併用」含めて検討するのかが、最適な導入への一つのパターンだとイージーネットは考えています。

もし、「アウトソーシング」をご検討の際は、ぜひアウトソーサーにこの質問を投げてみてください。

「御社では業務にRPAを導入していますか?」