コロナウイルスの影響による経済環境の激変により、12年ぶりに注目されているのが、「雇用調整助成金」です。

従来の主な条件としては
「前年同月比で売上等の生産指標が前年よりも10%以上減少している」になります。売上以外の「生産量」等の指標でも認められれば対象になります。

「休業」と聞くと店やオフィスを閉める、というイメージが強く、
「苦しいがまだそこまでではない」とお考えの経営者の方も多いです。

実はお店やオフィスは変わらず営業していても、
「仕事や客数が減ったことで5人いる従業員のうち2人休んでもらう」
というのも休業にあたります。

また平日に営業時間を2時間短縮する、といった場合も
勤務時間も同様に短縮しているならば休業にあたります。

重要なのは、「休業させた従業員に60%以上の休業手当を支払う」という点になります。

特に、2020年4月~6月までの「緊急対応期間」についてはさまざまな拡大がされたことで非常にご相談を多く受けています。

雇用調整助成金の要件緩和の概要

特に大きいのは「手続きの簡素化」だと思っています。

(今回明らかになった特例)
・記載事項の削減:記載項目が73から38に削減

・添付書類の削減:履歴事項全部証明書や確定保険料の申告書など
役所側で調べられる書類を削減。

・添付書類の簡素化:手書きのメモなどでもOK。
給与台帳の代わりに明細でもOK、
といった申請のために提出書類を作成する、という作業をできるだけ不要に。

・支給までの期間:従来の2ヶ月から短縮し約1ヶ月とする

その他、従来対象とならなかった
「各店舗がそれぞれ時短営業しているような場合」も対象になるなど、
だいぶ実情に近づいた使いやすい制度になってきたと言えます。

ただ

「雇用保険加入者だけでなく非加入者(パート・アルバイト)も対象とする」

という点でについては、非加入者は「緊急雇用安定助成金」という別の助成金の扱いのため、丸々1セットの申請書が必要となることがわかりました。

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手続きの簡素化によって何が起きる?

これまで顧問先を中心に数十件の雇用調整助成金の相談を受けてきました。

特に顧問先以外からのご相談で感じているのは
「対応できる社労士の不足」です。

「顧問社労士がいるのに『できない』と断られた」
「人数が少ないからと軒並み断られている。どうにか受けてもらえないか?」
といったご相談をいただいています。

私も頼られればできるだけ受けたい、という気持ちはありますが、
リソースが限られている中で申請業務を受けようとすると、
どうしても少人数でもかかってしまう手間と報酬の問題が出てきてしまいます。

申請書の簡素化は、このような現状において事業者に

「できるだけ自分で申請する」という選択肢をもたらす機会だと捉えています。

希望する全員が申請を社労士に依頼することはできない、
という前提に立たないと、すぐに事後申請の締め切りの6月末がやってきます。

ただ、簡素化されたとはいえそれでも
「簡素化用ガイドを見ても全然わからない」という方も多々いらっしゃいます。

そのため「自社で申請する人向けのサポート」を用意するべきだと考えました。
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雇用調整助成金の新サポートメニューの作成

今週より診断・シミュレーションツールも導入し、
各段階に分かれた下記メニューの提案をテスト的に始めました。

これまでの「申請代行」で一般的な成功報酬ベースの
「助成金額の**%となります。ただ下限報酬があるため~」
といった体系では対応が難しい小規模な事業者も含めて、
何らかのサポートができるようにするためのメニュー整備です。

1.無料診断
多くの相談を日々受けていて事業者が一番関心をお持ちと感じている
「1日あたりの助成金額はいくらになるのか?」
「休業手当の支給率は何%にすればよいのか?」
という点を知るきっかけになるものです。
休業手当の制度上、計算方法等によっては
下限の60%よりも70%、80%の方が
事業者負担が少ない会社が出てくるのがポイントです。

2.有料シミュレーション
無料診断よりも実践的な
「誰を何日休ませると負担額はどうなるのか?」
を有料でシミュレーションしています。

3.自社申請サポート
従業員数に応じた定額1回払いで、
自社申請を3ヶ月間サポートするメニューです。
・マニュアル
・書き方例
・チャット又はメールサポート
3ヶ月間の上記サポートによって一通りの
計画~支給申請を回せるようになってもらうのが目的です。
今回の簡素化によってやっとメニュー化できました。

4.申請代行
従来通りの助成金の申請代行です。
規模が小さいところにはできるだけ
上記1~3の支援策を活用していただき、
申請代行業務は積極的に増やしていかない方が
多くを支援できると考えています。

まだ日々修正を続けている不安定なメニューですが、
上記四段構えで各事業者の必要性に応じたサポートをしていく予定です。